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母の見ていた世界を、私も見てみた①

スタッフブログ

2026.03.19

母には、レビー小体型認知症がありました。
レビー小体型認知症では、幻視が現れることがあります。
母にも、時々、僕には見えていないものが見えていました。

介護の中期、在宅介護が本格的になっていき
仕事との両立で余裕がなくなり、精神的にも
かなり参っていた状況でした。

なんとなく母の近くでぼーっとなっていたとき
母が、何もない窓際を向かって話しかけ始めました。
「あら…、どうしたの?そんなところで・・・」

わたしは母に
「お母さん、どうしたの?」と声を掛けました。
母は、私の方に顔はむけませんでしたが、
「女の子・・・さぁ、こっちへいらっしゃい、大丈夫よ」
と声を掛け始めました。

僕はそのとき、フっと思ったんです。
「お母さんには、いまどんな世界が見えているんだろう?」

でも、そのときの僕は、少し違うことをしました。
お母さんの見えている世界を知りたくなったのです。


私「どんな女の子なの?」
・・・母「おさげをしている可愛い子」
私「そうなんだ、そのかわいい女の子はいくつくらい?」
・・・母「う~ん、10歳くらい」
私「へ~、10歳くらいの女の子ね。髪は長いの?」
・・・母「・・・少し長めね」

「髪の色は?」「背はどのくらい?」「どんな服を着てるの?」
母が見ているものを、知ってみたい気持ちで
会話を続けていきました。

それはまるで即興演劇のように、母の言葉を否定せず、
受け入れ、その世界を一緒に広げていきました。
母が答えてくれたら、受け入れてより深い精度の質問を繰り返す。
その先を、その先をと聞いてみる。
僕は母の見えている世界が自分にも鮮明になっていくようで、
なんだかワクワクしてしまい、もっともっとと
できるだけ具体的にしようとしていました。

その時は、自分が即興的なアプローチをしていることも
頭にはまったくなく、ただただ興味本位で聞いていました。

ところが、しばらくすると、不思議なことが起きました。
いつの間にか母が、こちらの世界に戻ってきていたんです。
僕が、まだその「女の子」の話を続けようとして、
「じゃあ、その子は……」と話を広げようとしました。

すると母が、笑いながら「ふふふ、あのね、そこまでじゃないの」
と言ったんです。その言葉が、僕にはとても衝撃的でした。

さて、なぜ衝撃的だったのでしょうか・・・

※②へ続く

株式会社 Heart Joint
代表取締役 迫田 智之

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