
「介護について学びましょう。」
そう言われると、多くの人は制度やサービス、
手続きなどの知識を思い浮かべるかもしれません。
もちろん、それらはとても大切です。
しかし、介護は知識だけで乗り越えられるものではありません。
なぜなら、介護には一つの正解がないからです。
同じ認知症であっても、
その人の性格や生活歴、家族構成、経済状況、
住んでいる地域によって最適な選択は変わります。
ある家族ではうまくいった方法が、
別の家族ではうまくいかないこともあります。
つまり、介護とは「答えを覚える勉強」ではなく、
「その場で考え、選び、行動する力」を育てることが大切なのです。
だからこそ、私たちハートジョイントでは、
ボードゲームを活用した体験型研修を行っています。
ゲームの中では、参加者は介護生活を疑似体験します。
突然の入院、介護認定、家族との意見の違い、
お金の問題、仕事との両立……。
次々と起こる出来事に対して、「自分ならどうするだろう」と考え、
仲間と話し合いながら進んでいきます。
そして私たちは、この研修を一度で終わらせません。
同じゲームでも、二回目、三回目になると、
参加者の視点は大きく変わります。
「あのときは施設しか考えられなかったけれど、今回は在宅という選択肢も見えた。」
「前回は焦って判断したけれど、今回は地域包括支援センターに相談しようと思えた。」
そんな変化が自然と生まれてきます。
経験を重ねることで、自分の引き出しが増え、判断の幅が広がっていくのです。
現実の介護は、やり直しが難しい場面も少なくありません。
だからこそ、失敗しても大丈夫なゲームの中で
何度も経験を積み、自分なりの考え方や判断力を
育てることに大きな意味があります。
そう介護は、正解を覚えるものではありません。
正しい知識は、もちろん重要です。
ですが、これが「正解!」という
考え方になってしまうことが怖いのです。
さまざまな状況に向き合いながら、
自分と家族にとってより良い選択を考え続ける営みです。
私たちは、ボードゲームという「安心して挑戦できる場」を通じて、
一人でも多くの方が介護に対する不安を減らし、
「もしもの時にも動ける力」を育んでいきたいと考えています。
株式会社Heart Joint
代表取締役 迫田智之