
「仕事を辞めて介護に専念します。」
家族を思うからこその決断です。
決して間違った選択だとは思いません。
しかし、これまで多くの介護に関わる方々と接し、
自身も家族介護を経験してきた中で感じることがあります。
それは、介護離職をした先で、
「辞めて本当に良かった」と心から感じている人は
決して多くないという現実です。
その理由は、大きく二つあります。
一つ目は、自分自身の人生を後回しにしてしまうことです。
仕事には収入だけではなく、人とのつながりや社会との接点、
そして社会の中での「自分らしさ」を保つ場でもあります。
介護を要因とする離職を選択してしまうと、その多くを失うことになります。
介護はいつ終わるか分かりません。
数か月で終わる場合もあれば、何年にもわたることもあります。
その時間の中で、「自分は何のために生きているのだろう」と
感じてしまう人も少なくありません。
また、終わったあとに社会復帰をすること自体が
年齢的にも難しくなってしまう厳しい現実があるのです。
残念ながら、頑張ってきたことは身近な人からは
大変だったね。と励ましをいただけますが、
現在の社会からは、仕事への復帰としての評価には当たらないのです。
全身全霊を捧げた先が、まさか・・・となる可能性があります。
二つ目は、収入が途絶えることです。
介護には思っている以上にお金がかかります。
介護サービスの自己負担だけではなく、
通院や移動費、介護用品、住宅の改修など、さまざまな費用が積み重なります。
そこに収入がなくなるという現実が重なると、
家計への負担はさらに大きくなります。
親の年金でどうにか回せると考える方も多くいますが、
要注意!が必要です。
介護の度合いが上がるほど、かかる費用も上がってきます。
離職の時点では大丈夫だったとしても、後々足りなくなってしまうかも・・・
そして介護以外の生活に掛かる費用も、頼りの年金から全て賄おうとすると
年金だけで十分だと言える家庭はほとんどありません。
経済的な余裕がなくなると、心の余裕も失われやすくなります。
その結果、家族関係がぎくしゃくしたり、
介護を一人で抱え込んでしまったりするケースもあります。
だからといって、「介護離職は絶対にしてはいけない」と
言いたいわけではありません。
大切なのは、介護離職を選ぶ前に、
「辞めた後の生活」を具体的に考えておくことです。
利用できる制度はないか。
仕事を続ける方法は本当にないのか。
家族で役割分担はできないのか。
会社へ相談することはできないのか。
介護は、一人で抱え込むものではありません。
そして、人生を犠牲にすることが前提でもありません。
ハートジョイントでは、
「介護を人生の犠牲にしない」という想いのもと、
介護が始まる前から考え、話し合い、備えることの大切さを伝えています。
介護離職を選ぶ前に、一度立ち止まってください。
その選択が数年後の自分や家族にどのような影響を与えるのか。
未来を見据えて考える時間こそが、大切な人を守り、
自分自身の人生を守る第一歩になるのではないでしょうか。
※介護を「運」から設計に変えていく
「サバイバル戦略ノート」というプログラム
https://heartjoint.co.jp/support_post/02/

株式会社 HeartJoint
代表取締役 迫田 智之